平年よりも1週間以上も早いサクラの開花となった2018年。当然ながら散るのも早い。
だが、そのことでお嘆きの皆さまに朗報だ。ソメイヨシノは散ったが、麻布地区近傍でシバザクラが満開を迎えている。切り替えて行こう。
「いや、随分違うでしょ」と無関心を決め込むのは個人の自由だが、常に前向きな姿勢で、何ごとにも良いところを見いだす人にこそチャンスは微笑むことを忘れてはならない。
まず、その色。
濃いピンク色は、春眠暁を覚えずの故事も吹き飛ぶような鮮やかさを呈し、暖かな気候に気も緩みがちな4月に喝を入れられる。
そして、その形。
柔らかい5枚の花弁は、ソメイヨシノのぷっくりとした花びらに比べるとややスリム。現代的なスタイルだ。
次に、その生態。
シバザクラは地被植物ゆえに足下に咲く。樹木であるサクラが高所に花をつけることにより、この季節に多くの頚部痛患者を生み出す原因となっている事は公然の秘密であるが、そのリハビリを兼ねた散歩においても花を楽しめるだろう。
港区でシバザクラと言えば、札の辻交差点にそびえ立つ「住友不動産三田ツインビル西館」の庭が有名だが、この「魚籃坂下の緑地」も見逃せない。だが、わざわざ来るような場所でもない上、来たところで道路に囲まれた三角州のような場所なので、落ち着いて鑑賞出来るものでもないことはご承知おきを。むしろ、そのような日常の風景に彩りを与える存在こそ尊いものと思いたい。
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