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進め宝船!神々を乗せて「港七福神めぐり」の歩き方-1

いよいよ平成の最後の年となった。皆様におかれては良いスタートを切られたことと拝察するが、そうでもないという御仁もおられるかもしれない。ならば、運気を上げるため、いざ行かん。「港七福神めぐり」へ!

例年元日から成人の日まで、麻布地区を中心とする8カ所の巡拝所をめぐって御朱印を授かるこのイベント。だが、七福神なのに8カ所とはこれいかに。「港七福神めぐり」は、おなじみの弁財天、恵比寿、大黒天、毘沙門天、壽老神、福禄寿、布袋尊の七福神を乗せる<宝船>があるのだ。

公式サイトによれば、スタート地点も決まっていなければ、ルートの選択も自由。日を跨いでの巡拝も可能であるため、時間の無い方でも期間中に少しずつめぐることも許されている。細かいルールで規定されがちなこの時代、この寛容さはありがたい。
参考ルートとして紹介されている道のりは、おおよそ6kmで徒歩で3,4時間。ただし、混んでいる場合には御朱印待ちの行列をする場合もあるため、半日費やすことを覚悟する必要がある。もちろん車で移動しても良いが、ちょっと味気ない。そこで、我々が選択したのは自転車だ。適度な運動により火照った顔を、ひんやりとした空気がなでるのも心地よいだろう。ペダルも軽く、まずは最初の巡拝所に向かった。

宝珠院(弁財天)
東京タワーと宝珠院(弁財天)

スタート地点として選んだのは、東京タワーのすぐ近くにある宝珠院。レディファーストとばかりに七福神の紅一点<弁財天>のお寺から始めよう。
早速、御朱印を頂こう!と思ったが、御朱印帳がない?いや、無くても大丈夫。「港七福神めぐり」では専用色紙が用意されている。しかも無料で。
だが、ここは敢えて御朱印帳を持参したい。なぜなら専用色紙には、各七福神の名が最初から印刷されているが、持参した御朱印帳に頂く場合は、墨痕鮮やかにその場で書いて頂けるから。しかも、お値段は専用色紙に頂く場合と同じ300円/箇所だ。

宝珠院(弁財天)
のぼりを抜けて、いざ参らん

芝公園の木立にまぎれるようにある宝珠院。参道に立ち並ぶのぼりを抜けて、参拝をしたら御朱印帳を向かって左の窓口に渡そう。
で、待つこと数分。頂いたのがこちら。

宝珠院(弁財天)
宝珠院(弁財天)の御朱印

美しい!のびのびとした流れるような筆運びに、しばしうっとりとする。公式サイトには「辨財天」とあるが、頂いたのは「辨才天」。推察に過ぎないが、これは「財」の字に比べ「才」の方がスリムに書けるからではないか。中央部でシュッとくびれることで、天の字の広がりが強調されるという具合に。ちなみに正月限定で金色の墨で書かれたものもあるが、それは書き置かれたもの。ライブ感を大切にしたい方は、通常のものを選んでその場で書いて頂こう。

宝珠院(へび)
宝珠院(へびの石像)

さて、御朱印を授かり、すぐに残る7箇所を目指したいところではあるが、本堂に向かって右側にある「へび」の石像が気にかかる。
説明書きを読むと、ヘビがカエルを食べる・カエルがナメクジを食べる・ナメクジがヘビを溶かすという「三すくみ」を意味し、物事が動かなくなることを転じて平和を願う寺の気持ちを表しているのだそうだ。ナメクジがヘビを溶かすというのは初耳だが、その由来はさておき、カエルとナメクジを探そう。

宝珠院(かえる)
宝珠院(かえる)

かえるはすぐに見つかるだろう。やはり本堂右側のフェンス際にある。だが、ナメクジが見つかりにくいかもしれない。そのときは地面ばかりを見ずに、少し顔を上げてぐるりとあたりを見渡すと、、、

宝珠院(なめくじ)
宝珠院(なめくじ)

何の変哲もない石柱かと思いきや、表面にニョロリとした彫りがある。それがナメクジだ。ヘビとカエルとは異なるその表現に、ヘビをも溶かす妖力を感じるだろう。ちなみに、背景に写っている「天上天下賽銭箱」は、ちょっと手前からお賽銭を投げ入れるという趣向の賽銭箱だ。心を落ち着かせ、ステフィン・カリーよろしく3ポイントシュートを決めめよう。

次いで向かったのは、赤羽橋から飯倉交差点に向かう途中の左側にある熊野神社。恵比寿さまのおわす神社だ。

熊野神社(恵比寿)
熊野神社(恵比寿)

宝珠院のすぐ近くにあるため、さきほど弁財天の御朱印の列に並ばれていた方々も散見される。参拝の後、本殿左にある窓口に御朱印帳を渡し、頂いたのがこちら。少し柔らかみを帯びた書体が、恵比寿様の福々しさを表しているかのようだ。

熊野神社(恵比寿)
熊野神社(恵比寿)の御朱印

飯倉の交差点を左に曲がり、次なる巡拝所である久國神社(布袋尊)に向かう。その途中、昨年11月に移転した旧麻布郵便局の前を差し掛かると、入口は閉ざされ、看板も覆われている。

旧麻布郵便局
旧麻布郵便局

そのまま六本木方向に向かい、飯倉片町の交差点を右に曲がると行合坂に差し掛かる。国家公務員宿舎「六本木住宅」は既に解体され、見通しが良くなっている。虎ノ門・麻布台地区第一種市街地再開発事業が着々と進んでいるのだ。

行合坂
行合坂

ここまで軽快に自転車で来たが、谷町ジャンクションのあるアークヒルズまわりは自転車にとって少々難しい場所である。坂を降りきる前に左に曲がり、六本木通りに出たほうが賢明だ。通りの一筋裏手の道を東北東に進めば久國神社がある。

つづく

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