去る2018年03月26日、東京都都市整備局より「虎ノ門・麻布台地区市街地再開発組合の設立認可について」と題されたプレスリリースがあった。
この再開発事業は、内閣府の国家戦略特別区域会議 第11回東京都都市再生分科会(平成29年1月10日開催)にて配布された資料にて全貌が明らかなものとなったもので、発表当時に麻布地区内でも大いに期待され話題を集めていた。
東京都の報道発表資料によると、地区面積は約8.1ヘクタール。東京ドーム(建築面積:約4.7ヘクタール)に換算をすると約1.7倍。
比べたことで逆にあまり広さを感じられないような気もするが、港区の面積が20.37平方キロメートル=2,037ヘクタールであるから、港区全体の約0.4%もの規模となる。非常にスケールの大きなプロジェクトであることがイメージできよう。
同じく東京都の報道発表資料より「(2) 計画概要」を引用しよう。
施設規模
延べ面積
(A街区)約461,840平方メートル
(B-1街区)約187,190平方メートル
(B-2街区)約167,520平方メートル
(C街区)計約47,550平方メートル
階数・高さ
(A街区)地上65階/地下6階、高さ約323メートル
(B-1街区)地上64階/地下6階、高さ約263メートル
(B-2街区)地上53階/地下6階、高さ約233メートル
(C街区)地上2~8階/地下1~3階、高さ約16メートル~約43メートル
施設用途
事務所、住宅、店舗、ホテル、インターナショナルスクール等
公共施設等(後略)
(引用元: 2018年03月26日 東京都 都市整備局報道資料 )
各街区の建築物の延べ面積の合計は、約86万平方メートルだ。六本木ヒルズ森タワーの延べ面積が約38万平方メートルであるから、地区全体で六本木ヒルズ森タワーの約2.3倍程度の床面積を持つ建物が出来ることになる。階数としては、地上65階建て、64階建て、53階建ての超高層ビルが各1棟と、地上2~8階建ての中低層ビルが複数棟計画されている。地上54階である六本木ヒルズ森タワー同等規模のもの1棟と、それをさらに10階程度上回る規模のものが2棟予定されている。
事業の施行地区は、「港区虎ノ門五丁目、麻布台一丁目及び六本木三丁目各地内」とされているが、虎ノ門五丁目は東側の一部で、六本木三丁目は西側の行合坂を含む道路部分であるため、対象エリアのほとんどが麻布台一丁目に含まれる。このあたりは麻布郵便局や外務省飯倉公館の建つ高台と、その北側に東西を横たわるようにある「我善坊谷」と呼ばれる低地に大別される。現在の住居表示で麻布台一丁目とされている範囲のうち、おおまかに言ってかつて麻布飯倉町と呼ばれたエリアが高台部分、麻布我善坊町と呼ばれたエリアが低地部分に相当する。
今から10年ほど前に、記者はこのエリアを初めて散策した。神谷町から六本木に抜けようとしたのか、その逆なのか覚えていないが、当時既に土地の買収が進んでいた様子で、人気のない家々に「立入厳禁」のプレートが取り付けられていたことを覚えている。
報道発表によれば、工事の着手は平成31年3月、建物竣工は平成35年3月とのこと。着工まで1年足らずとなった4月某日に改めて現地を歩いてみた。(つづく)
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