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麻布地区大改造 再開発直前の街を歩く-4

工事の着手を来3月に控えた「虎ノ門・麻布台地区第一種市街地再開発事業」の予定地を歩く連載の第4回目。

我善坊谷を東西に貫く道から、再開発エリアの東側南端にあたる桜田通りに出た。再開発の対象となっているエリアが桜田通りに接する距離は、施行地区全体の広さの割に短い約110m。寿司屋さんのあるコーナーから北北東に70mほど進んだ東側の北端部を左折し、桜田通り側から施行地区北側を西に向かおう。

路地に入ると、上の写真のように緩い上り坂になる。
写真
左側の施行区域内には、道路境界にコーンが置かれ解体間近という風情のビルや、錆びたトタン屋根の木造モルタル住宅などが並ぶ。ビルにネットが張られているのは、タイルの剥落による怪我を防ぐためだろう。道路を挟んで右側は施行区域には含まれていないが、少し前まで埋蔵文化財調査をしていた現場では既に建設工事が進められていた。

落ち着いた雰囲気のある住宅街が残る再開発エリアの北側
落ち着いた雰囲気のある住宅街が残る再開発エリアの北側

緩い坂を上りきると、落ち着いた住宅街という雰囲気の場所に至る。その背後に高層マンションがなければ、港区虎ノ門にいることを忘れそうだ。上の写真の道路の左側が施行区域であるが、今回の施行区域に含まれていないブロックでも、いずれ再開発が行われるのだろう。
そのまま西に向かって歩くと、路地を抜けてきれいに整備された道路に出る。かつて「虎ノ門・六本木地区第一種市街地再開発事業」として進められていたアークヒルズ仙石山森タワーや、六本木ファーストビルなどが建つエリアの南東側だ。

アークヒルズ仙石山テラスの南側。この道路の左が再開発の施行地区。左側遠方には、六本木ヒルズも見える。
アークヒルズ仙石山テラスの南側。この道路の左が再開発の施行地区。左側遠方には、六本木ヒルズも見える。

ひとつひとつの建物は非常に大きいが、道路から充分に引きを取って緑地が整備されているために、思いのほか圧迫感を感じることは無い。緑地に面した仙石山テラスの1階には「まちの本とサンドイッチ」という小さなお店が入っており、明るい広場で軽食やコーヒーを楽しみながらおしゃべりをできるとあって、小さなお子さんを連れた方が数組談笑していた。建物の規模こそ巨大で比べるべくもないが、広場とお店の関係性はヨーロッパの街角のようで好ましい。

アークヒルズ仙石山側の高台から我善坊谷を見下ろす
アークヒルズ仙石山側の高台から我善坊谷を見下ろす

その緑地外周を巡る道路から南に目をやると、思いのほか高低差があることがわかるだろう。道路の南側が我善坊谷であり、脇に建つ家の2階の軒先と道路が丁度同じくらいの高さだ。桜田通り側から緩い坂を上ってきたため実感しにくいが、谷地の底から10m程度は高いところに来たことになる。この道路が「虎ノ門・麻布台地区第一種市街地再開発事業 」の北側の境界で、再開発はこの高低差を埋めるように計画されている。(つづく)

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