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麻布地区大改造 再開発直前の街を歩く-3

外苑東通りからロシア大使館の向かいにある路地に入る。郊外の高級住宅地といった風情にも感じられるこの道を霊友会釈迦殿の脇を通って北上すると、三年坂の上に出たところで唐突に視界が開ける。

上の写真は、その三年坂の上から谷地の西側を眺めたものだ。左手(南側)の高台には麻布郵便局、右手(北側)の高台には泉ガーデンや六本木ファーストビルが建ち並ぶ。その間を東西に伸びる低地が、かつて麻布我善坊町と呼ばれた地域だ。

高台と我善坊谷
高台と我善坊谷の関係(画像:国土地理院の地理院地3D表示したものに、赤文字で建物名称等を追記して掲載

地理院地図の3D表示機能を使用した上図を見ると、このエリアの地形がよくわかる。
左側が麻布郵便局のある高台で、右側がアークヒルズ仙石山森タワーのある高台だ。中央に三年坂があり、そこから急激に下って谷地になっている。
平成2412月に策定された「六本木・虎ノ門地区まちづくりガイドライン 第IIP.12港区ウェブサイトにおいては、郵便局のある高台の再開発を「麻布郵便局地区」、谷地の再開発は「虎ノ門・麻布台地区」と事業自体は分けられていた。その後、平成29110日開催の内閣府国家戦略特別区域会議 第11回東京都都市再生分科会 配布資料にて、両地区が一体的な再開発として進められることが公表され今に至る。

郵便局西側に道路を通すことは上記ガイドラインの第IIP.13の図にて、「構想線」として示されていたものの、前述の通り当時はまだそれぞれ別の再開発事業であったようだ。谷地の「虎ノ門・麻布台地区」としては、高台の「麻布郵便局地区」に接続することで街づくりにおける自由度が格段に上がったことは想像に難くない。もちろん「麻布郵便局地区」にとっても、影を落とす対象となる北側のエリアとタッグを組むことで得られるメリットも相当なものと思われる。この協調は両地区にとって必然と言えるものだったのだろう。

再開発施行地区を東西に貫く道路
再開発施行地区を東西に貫く道路(突き当たりが桜田通り)

三年坂を下り、道なりに右に折れると谷地の中央部を東西に貫く道路に至る。直進すると上り坂になり仙石山森タワーのある高台に出るが、まずは外縁部を歩くことにしよう。右(東)に曲がり、桜田通りに向かう。
着工まで1年を切っているだけに多くの家屋は既に退去を済ませており、「立入厳禁」と書かれたプレートが取り付けられているが、時折まだ洗濯物を干している住宅も散見される。

路地には木造の古い家屋が並ぶ
路地には木造の古い家屋が並ぶ

中には公表されている図では施行区域に含まれていない敷地にて、発掘調査が行われているところもある。発注者は森ビル株式会社とあるため、隣接する土地は積極的に取り込んで、再開発事業のバリューを高めようとしていることが窺い知れる。

桜田通りに出ると、そこが本再開発事業の東側の南端。北北東に70mほど進んだ東側の北端部を左折しよう。(つづく)

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