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麻布地区大改造 再開発直前の街を歩く-2

工事の着手を平成31年3月に控えた「東京都市計画事業 虎ノ門・麻布台地区第一種市街地再開発事業 」。着工まで1年足らずとなった4月某日に現地を歩いた。

改めて計画の施行範囲を確認しよう。

資料
(出典:内閣府国家戦略特別区域会議 第11回東京都都市再生分科会(平成29年1月10日開催) 配布資料

幹線道路には、東側で桜田通り、西側で麻布通り、南側で外苑東通りにそれぞれ接している。北側は、東側より神谷町駅付近の生活道路とアークヒルズ仙石山森タワー・六本木ファーストビル・六本木ファーストプラザなど森ビルのビル群外周道路に接し、西側の一部でMFPR(三井不動産プライベートリート)六本木麻布台ビルや在日サウジアラビア王国大使館の南側にてブロックを分断するように線引きされている。その部分を内閣府国家戦略特別区域会議 第11回東京都都市再生分科会(平成29年1月10日開催) 配布資料で見ると、新たに道路を通す計画であることがわかる。(上図中の「アーク八木ヒルズ」は2016年に「MFPR六本木麻布台ビル」に改称)

散策のスタート地点は、外苑東通り。配置図の左下にある外務省飯倉公館前から反時計回りに外周部を歩くこととしよう。(最上部写真)
外務省飯倉公館付近は歩道部分と思われる範囲が含まれているが、敷地そのものは対象に入ってはいない。その東側に位置する麻布郵便局との境から施行区域となり、南北に通る道路が新設される予定だ。

現在、麻布郵便局が建つあたりはA街区と名づけられ、延べ面積:約461,840平方メートル、階数:地上65階/地下6階、高さ:約323メートルという本再開発事業における最も大きいビルが建設される。

麻布郵便局
麻布郵便局 重厚かつモダンな外観は麻布台の象徴的存在だ

必然的に麻布台の顔とも言うべき麻布郵便局を失うことになると思われるが、前出の内閣府資料中にはその保存等に関しては触れられていない。東京駅前の東京中央郵便局は、再開発時にその文化的価値が大いに話題となり、結果的にファサードを含む一部がKITTEとして商業施設に生まれ変わることで、近代建築の保全と経済的合理性のひとつの回答を示すことになったが、麻布郵便局に関しては特にそのような予定はなさそうだ。アールデコの装飾が施されたこの重厚な建物の文化的価値などについては、港区立図書館各館に所蔵されている「港区の歴史的建造物 港区歴史的建造物所在調査報告書P.176(著者名:港区教育委員会事務局図書・文化財課文化財係(港区立港郷土資料館))」を参照されたい。

麻布郵便局東側の路地
麻布郵便局東側の路地

麻布郵便局の敷地東側で施行区域の境目となる。区域の周縁部を歩きたいところであるが、私有地内であるため一筋東側の道路を行こう。

外苑東通りからロシア大使館の向かいにある路地に入ると、低層の集合住宅や戸建て住宅が建ち並ぶエリアとなる。カザフスタン共和国大使館の入るビルや外務省麻布台別館など、麻布地区ならではの建物もある通りだが、正面に威容を誇る霊友会釈迦殿やアークヒルズ仙石山森タワーの姿が見えなければ、郊外の高級住宅地といった風情だ。(つづく)

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